暑い日が続きますね
フィラリアの予防シーズンはもう始まっているので、まだの人はお早めに。
さて、フィラリア予防薬といっても、いろんな製薬メーカーから、いろんなコンセプトでいろんなものが作られています。
そして当院では
年1回の注射によるフィラリア予防をすすめています。ですが、フィラリアの予防薬はそれがすべてではないので、今回は、キャンベル動物病院で扱っている注射以外のフィラリア予防薬を紹介します。
①錠剤タイプ

もっともオーソドックスな、いわゆる「薬」の形態をそのまま残したものです。
病気の治療などに使われる一般的な薬よりも、粒も小さく飲ませやすいのが特徴です。
いずれもフィラリアの予防効果は同等ですが、+αの部分で使い分けています。
錠剤タイプの薬については、写真の3つのうち、「ミルベマイシン」を当院ではすすめています。
すべてというわけではありませんが、これを飲ませるとフィラリアの予防と同時に、お腹にわく寄生虫も幅広く殺滅するので、
「定期駆虫」を薦めている当院のコンセプトにも合致しているからです。散歩に行かれる家庭であれば、なおさらお腹の虫に対処しておく必要があるのです。
システックはフィラリアの予防と同時に、ノミの予防もできる薬です。
正確に言えば、ノミが体に寄生するのを防ぐのではなくて、ノミの繁殖を止める作用があります。
たくさんワンちゃんを飼っている、あるいは飼い主様が日常的にノミに刺されてしまうほどに、周りでノミが大繁殖してしまっているお宅におススメしています。
モキシハートは純粋にフィラリアのみの予防効果です。
ほかの作用がまったくないですが、金額としてはもっとも安価です。
(モキシハートは厳密に言えばチュワブルになるのですが、とても小さいのであえてこちらに分類しました。)
②粉タイプ

ミルベマイシンの粉タイプです。
先ほどの錠剤タイプのミルベマイシンと効果はまったく同じです。
粉タイプのお薬は、非常に細かく計量できるのが特徴です。
錠剤タイプや、後ほど紹介しますチュワブルタイプや滴下タイプですと、体重○○kg~□□kgまでと、ある程度の幅をもった薬としてすでに作られてしまっています。
そのため、たとえば体重が500gしかないのに、5kg以上のコが飲む薬を与えるしかない・・・なんてケースもあるわけです。
その点では、粉薬は体重がとても小さいコ、とくに体の機能も成長しきっていない、仔犬のフィラリア予防にはとても使いやすい薬なのです。
③チュワブルタイプ

いわゆるジャーキーに混ぜて作られた薬です。
錠剤や、粉薬と違って、製品のどこに薬が入っているのかがまったくわかりません。
残さず、まるまる一つをちゃんと食べてくれないと確実に予防できない・・・というデメリットはあります。
とはいえ、一般論としてワンちゃんのウケはもっともよいです。
効果もフィラリアだけではなく、お腹にわく いくつかの寄生虫も同時に殺滅するので、とても使いやすい薬です。
ちなみにパナメクチンは国産鶏、イベルメックは国産牛、カルドメックはアメリカ産牛肉を使っているので、ワンちゃんの好み、食物に対するアレルギー、飼い主様の食材の産地へのこだわりなどを考えて、選んでいます。
フィラリアやお腹の寄生虫に対する効果は、同等です。
④滴下タイプ

そもそも薬なんてまるっきり飲まないんだけど・・・というコでよく使われています。
飲ませるという手間がかからないのが最大のメリットです。
これらの薬は、ワンちゃんが舐められない、首の後ろにたらすことで、皮膚からじわじわと吸収されます。
なので、たらしたあと、1~2日間は体を洗うことができません。
吸収されるまでに時間がかかるので、洗い落としてしまっては意味がないからです。
もちろん、その数日間を過ぎてしまえば、いくら洗っても大丈夫です。
アドバンテージハート レボシューションの2つを紹介していますが、フィラリア以外にもノミを同時に予防できるという点においてはどちらも優れた作用があります。
また、レボリューションに関してはフィラリアとノミの予防のほかに、お腹にわいている回虫という寄生虫と、耳の中だけに寄生する耳ダニを予防してくれます。
※
耳ダニは体の表面にくっつく
マダニとはまったく別物なので気をつけましょう。
アドバンテージハートも、レボリューションもマダニを予防するためには、別の薬を併用する必要があります。
滴下タイプの薬を希望される方には、より幅広く予防できるものが多いレボリューションをすすめています。
あと、もう一つ大事なのはネコちゃんのフィラリア予防です。
こちらもワンちゃんほどではないにしても、やはり感染してしまった報告が確実に出てきていますので、ネコちゃんを飼われている飼い主様の方には、ワクチンだけではなく、フィラリアも積極的に予防していただきたいと考えています。
⑤猫のフィラリア予防薬

残念ながら、ネコちゃんは注射ではフィラリア予防薬が作られていませんので、写真のようなチュワブルタイプ(ジャーキーに薬が溶け込んでいるタイプ)と、滴下タイプの中から選んでいただいています。
ネコちゃんの場合、薬の選択基準は、まず
「投薬のしやすさ」が大きいですね。
レボリューションは口から投薬しないので非常に使いやすいのです。
もちろん、ジャーキー状のチュワブルを食べられることを、毎月楽しみにしているネコちゃんもいるわけで、そういうコにはチュワブルタイプを渡しています。
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- 2012/07/08(日) 11:33:30|
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